「九月、東京の路上で」寄贈プロジェクト

プロジェクトの趣旨

すでに報道等でご存じのように、東京都知事小池百合子氏は、本年9月1日に横網町公園で行われた「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」に、歴代都知事が行ってきた虐殺犠牲者への追悼文の送付を拒否しました。また、虐殺の現場のひとつであり、犠牲者慰霊碑の立つ地元、墨田区の山本亨区長も、小池都知事に追随するかのように例年行っていた追悼文送付を取りやめました。いずれも「都慰霊協会主催の慰霊祭ですべての犠牲者の追悼を行うから」という、理不尽な説明しかなされていません。災害被害者と虐殺の犠牲者を区別しない行政のこのような態度は、負の歴史を消し去ることに繋がり、同じ過ちを繰り返しかねない危険な兆候であります。

残念なことに、ネット上などでは、こうした小池都知事や山本区長に対する賛辞が少なくない状況です。また、「朝鮮人虐殺はなかった」「朝鮮人が暴動を起こしたので殺されても当然」など、関東大震災当時と同様のデマが再び流布され、SNSなどを通じて拡散されています。当時のことを知らない多くの若者が、このようなデマに感化され、信じてしまうことに私どもは危惧の念を持っています。

歴史教育が教科書検定によって歪められ、また、受験のために近現代史が疎かになることの多い現在、不幸な歴史を繰り返さないために、次代を担う若い人たちに、私たちの祖父母の時代に起きた朝鮮人虐殺という歴史の事実と出会う機会を作りたい。そんな思いで、私どもTQCは、書籍『九月、東京の路上で』(加藤直樹著 2014年「ころから」刊)を、高等学校の図書室に寄贈するプロジェクトを立ち上げることとしました。

『九月、東京の路上で』は、関東大震災後の在日朝鮮人・中国人虐殺について、丹念な取材を通じて事実(史実)を綴ったルポルタージュです。発刊当初から『図書新聞』や大手メディア各誌で好評価を受けて増版を重ね、現在も書籍通販Amazonの部門別(日本史/明治・大正)ベストセラー上位にランクされています。当事者の証言に現場の地図や解説を添えることで個々のエピソードをくっきりと浮かびあがらせる構成は、高校生にも読みやすく、理解しやすいものになっています。

数多くの皆さまのご賛同とご参加を得られれば幸いです。

「九月、東京の路上で」寄贈プロジェクト参加方法


フライヤーを作成しました。ぜひ皆様の周りにも呼びかけをお願いいたします。

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「九月、東京の路上で」寄贈プロジェクト賛同人(五十音順 10/12現在)

賛同メッセージはこちら

  • 淺川 和也(東海学園大学)
  • 荒井 明夫(大東文化大学)
  • 庵逧 由香(立命館大学)
  • 池田 香代子(翻訳家)
  • 池田 憲一(日本福祉大学)
  • 石川 裕一郎(聖学院大学)
  • 石山 久男(子どもと教科書全国ネット21代表委員)
  • 一盛 真(大東文化大学)
  • 岩松 研吉郎(慶應義塾大学)
  • 梅原 利夫(和光大学)
  • 岡田 憲司(専修大学)
  • 小澤 浩明(東洋大学)
  • 香山 リカ(立教大学)
  • 川合 康(大阪大学)
  • 川村 晃生(慶應義塾大学)
  • 川村 肇(獨協大学)
  • 木下 ちがや(政治学者)
  • 久保田 貢(愛知県立大学)
  • 五野井 郁夫(高千穂大学)
  • 小原 隆治(早稲田大学)
  • 佐々木 寛(新潟国際情報大学)
  • 澁谷 知美(東京経済大学)
  • 霜村 三二(都留文科大学)
  • 菅野 扶美(共立女子短期大学)
  • 高崎 宗司(津田塾大学)
  • 竹内 常一(國學院大學)
  • 田中 正敬(専修大学)
  • 中沢 けい(法政大学)
  • 仲田 康一(大東文化大学)
  • 中野 晃一(上智大学)
  • 野々村 文宏(和光大学)
  • 峰岸 純夫(東京都立大学)
  • 森原 康仁(三重大学)
  • 山本 由美(和光大学)
  • 渡辺 雅之(大東文化大学)