出版社

有志舎

著者

藤野 裕子

出版年

2015年

ISBNコード

978-4903426983

内容の紹介

日比谷焼き討ち事件や米騒動という「民衆運動」を起こした層と、朝鮮人虐殺の加害者である市民たち(特に男たち)は重なっている。これまで前者は大正デモクラシーを背景とした「善良であるべき民衆」であり、後者は「帝国主義の害悪」と別物のように扱われてきた。だが著者はこれらの原因をある社会的階層のもつ共通の情動に求め、いかにして善良なる民衆が「天下晴れての人殺し」に狂喜するに至るかを解こうとしている。朝鮮人虐殺をほかの都市暴動と並べることで、うっすらとひろく浸透している市民の暴力性を描き出した良書です。同著者の『民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代』(中公新書)の方が入手しやすいですが、可能ならこちらを。 

紹介者

谷口岳

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